この映画を一言で表すとしたら、美しいが適切だと感じます。映像・音楽・話など全てが綺麗に描かれ、お互いをより良いものにしていました。
具体的に美しさを感じた理由を述べていきます。一つ目は、音楽をRADWIMPSさんが担当したからです。RADWIMPSさんは前作『君の名は』に続いて音楽を担当してくださいました。唯一無二の詩的な歌詞と透き通った歌声は、目を閉じても映画を楽しめると感じたほどです。特にお気に入りの曲は「グランドエスケープ」です。サビにかけて盛り上がっていくメロディーと、不安を感じながらも進んでいく勇気のある歌詞が気に入っています。
二つ目は、声の違和感がなかったからです。声優ではなく俳優・女優が声を担当すると気持ちがこもっていなかったり、技術がなかったりすると違和感があります。しかし、違和感は全くありませんでした。物語の終盤、帆高は自分の気持ちを叫びます。その声の力強さとまっすぐな気持ちに心打たれました。声優初挑戦とはとても思えませんでした。
三つ目は、映像が雨の描写にまでこだわっているからです。監督は映像美が素晴らしい方と有名ですが、今作でも想像以上の画面の美しさに圧倒されました。作中何度も登場する雨も一つとして同じ雨はないと思います。近い雨・遠くの雨・小雨・台風と様々な雨の表現があり飽きのこない映画でした。